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ヒマラヤ山脈を飛び越える鶴 [鳥類]

アンデス・コンドルは標高1800~5200mに生息しているわけですが、

ユーラシア大陸の中央部、特にロシア、モンゴルの大草原で繁殖し、
標高8,000m級のヒマラヤ山脈上空をチベット側からインド側に
命がけで飛び越え、インドで越冬する「鶴」がいます。

その「鶴」の名は「アネハヅル」!

ツル目ツル科アネハヅル属、英名:Demoiselle Crane, 
学名:Anthropoides virgo

世界の屋根ヒマラヤ山脈

標高8,000mのエベレストを頂点とするヒマラヤ山脈越えは
空気が薄く気温も氷点下摂氏マイナス40度!

寒さに耐えて南に向かう過酷な旅!
渡り切ると羽根はボロボロになっているそうです。

姉羽鶴」!
美しい飾り羽を持つことより、
「凛として美しい女性のごとき羽の鶴」
これが名前の由来とか。



DSC01205.JPG
Photo by Amadeus @San Diego Zoo, C.A.


アネハヅルは世界で最も小さなツルです。
北海道に生息するタンチョウヅルの翼を広げた長さ(翼開長)は2mを超えるのに対し、
アネハヅルは体長60~90cm位で、体重も2~3kgと非常にコンパクトな鶴です。

世界でカナダヅルについで2番めに数の多いツルで、ヨーロッパ南東部、アフリカ北東部、
中央アジア、中国に分布し、日本にも稀に迷鳥として飛来することもあるそうです。
☆本記事末尾の関連サイトご参照。

極めて条件の悪いヒマラヤ山脈を、アネハヅルたちは毎年数万羽という規模で渡っていきます。
何故そこまでして、迂回もせずにヒマラヤを渡っていくのかについてはよく分かっていない様ですが、
本能によるものだという説があります。

ヒマラヤ山脈は地球上で最も若い山脈の一つです。プレートテクトニクス理論によると、
ヒマラヤ山脈はインド・オーストラリアプレートとユーラシアプレートの間の沈み込みで
およそ7000万年前、後期白亜紀に始まった大陸同士の衝突による造山運動から生じた
とされています。

☆インド・オーストラリアプレートは15cm/年の速度で北上し、ユーラシアプレートと衝突しました。
現在もインド・オーストラリアプレートは67mm/年の速度で動いており、この結果として約5mm/年の
造山運動が発生しているとのことです。

2000万年ほど前にヒマラヤ山脈の原型が出来上がりましたが、この頃はそれほど
標高は高くなくアネハヅルの祖先たちは特に苦労することも無くインドへと渡って
越冬することが出来ました。

70万年ほど前になるとヒマラヤ山脈は現在のように数千mの高さに達しましたが、
アネハヅルたちは本能により、まっすぐヒマラヤ山脈を越えてインドへ向かうのです。

一般的に渡り鳥の飛べる高度は約1,500m~4,300mと言われていますがアネハヅル
ヒマラヤ山脈の4000m付近での上昇気流に乗って飛び8,000m以上の高さに
到達するものと考えられています。

因みに、アネハヅルたちは好天の日を選んでヒマラヤ山脈を越えるので、アネハヅルの姿を
見かければ悪天候に悩まされることなく安全に山を登ることが出来ると信じられています。




哲学をする鶴」の風貌。
DSC01204.JPGDSC01208.JPG
Photo by Amadeus@San Diego Zoo, C.A.






世界の屋根ヒマラヤ山脈を飛び越えて行きます。
resize0035.jpg






アネハヅルの飛翔

イスラム圏では、幸運の鳥として尊ばれている。
.






比較用参考画像: タンチョウヅル(左)とカナダヅル(右)
Grus_japonensis.jpg769px-Grus_canadensis-nbii_m00554A-1.jpg
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』



関連サイト
『姉羽鶴之図』 国立国会図書館蔵
高力猿猴庵画 自筆
文政4年 (1821) 6月に尾張で捕獲され、9月に将軍家斉 (いえなり) に献上された姉羽鶴の図
(高力猿猴庵は尾張藩士)



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コメント 16

塩

いつも広範囲なしかも詳細な内容を拝見して感心しております。
by (2009-11-06 10:48) 

モッズパンツ

構造設計で悪いことしたオサーンに似た名前ですね。w (^ω^)b
後ろ髪が長いので、ムーミンに登場しているヘムレンさんに似ておりますね。それにしても8000m級の高度を飛ぶなんて、凄い鶴ですね。w (´∀`)ノ

(^ー^)ノシ
by モッズパンツ (2009-11-06 23:00) 

アマデウス

Dr.塩!こんにちは~☆
身に余るお言葉。。。恐縮です☆
いつもありがとうございます!
by アマデウス (2009-11-07 06:09) 

アマデウス

モッズパンツさん!こんにちは~☆
モッズパンツさんらしい愉快なコメントありがとうございます!
☆あの悪いオサーンの「ハ」は「歯」でしたよね。「羽」だったら捕まらずに
インドにタカトービして、今頃アネハヅルと遊んでいたかも。。。 
☆アネハヅル別名ヘムレンヅル(ムーミン属)ということで ☆L(´▽`L )♪
by アマデウス (2009-11-07 06:17) 

まっちゃん

凛として美しい女性と言うよりも、ハゲ爺と言う感じ。
と思ったのは私だけでしょうか。
鳥類の心肺機能はほ乳類より能率の良いシステムを使っているそうですが
8000メートルはすごいですね。
アジサシの仲間でしたっけ、1万キロ近くを休まず飛び続ける鳥もいる
様ですね。
by まっちゃん (2009-11-07 09:47) 

アマデウス

まっちゃんさん!こんにちは~☆
そう思ったのはまっちゃんさんだけではありませんよ☆
高度8千米を飛ぶ「はげしい鶴」=「禿爺鶴」を別名ということで。。(^m^ )
☆南米の太平洋岸でトローリングをしていた時ペリカンの大群の近くでカモメに良く似た「極鯵刺」の大群が海に飛び込んでいました。北極と南極を往復するそうですね。日本にも立ち寄るそうですからもし写真を撮られたら教えて下さいね☆
by アマデウス (2009-11-07 11:07) 

アヨアン・イゴカー

>渡り鳥の飛べる高度は約1,500m~4,300mと言われていますがアネハヅルはヒマラヤ山脈の4000m付近での上昇気流に乗って飛び8,000m以上の高さに
なるほど、納得できます。高高度になると酸素も少なくなりますので、上昇気流のような外部エネルギーが無ければ、羽ばたくことも難しいのではないかと思いました。
by アヨアン・イゴカー (2009-11-08 14:45) 

LittleMy

アネハヅルって、すごいですね。

いろいろな詳細な内容のブログとても楽しみにしております。

by LittleMy (2009-11-09 12:36) 

nanno

アマデウスさん、こんにちは♪

ヒマラヤ山脈を飛び越えて行く鳥が存在すること自体に
ただただビックリしました!!

アマデウスさんのブログ記事は
ものすごく読み応えがありますね。

先日の「画家の中の画家 ベラスケス」のエントリー記事は
私のブログでもご紹介させて頂きました。
by nanno (2009-11-11 13:40) 

pegasas

姉羽鶴は初めて知りましたが、アマデウスさんのブログは
とても勉強になりますね。目と嘴が赤い可愛いい鶴ですね。
ヒマラヤを越えて行く渡り鳥がいるとはびっくりしました^^!
by pegasas (2009-11-12 19:43) 

Nyandam

アネハヅル。ヒマラヤを飛び越えるとはすごいですね。
大きさはコサギぐらいのようですが、羽の色はアオサギのようですね。

by Nyandam (2009-11-12 22:51) 

アマデウス

アヨアン・イゴカーさん!こんにちは~☆
仰るとおりうまく上昇気流を利用してたか~く舞い上がるのですね☆
by アマデウス (2009-11-13 06:54) 

アマデウス

LittleMyさん!こんにちは~☆
スゴイでしょ、アネハヅル!
嬉しいコメントありがとうございます!
by アマデウス (2009-11-13 06:57) 

アマデウス

nannoさん!こんにちは~☆
ブログでご紹介頂き恐縮です!
嬉しいコメントありがとうございます☆
by アマデウス (2009-11-13 07:00) 

アマデウス

pegasasさん!こんにちは~☆
姉羽鶴、すごいですよね。
勉強ですか。。。照れます。。。
嬉しいコメントありがとうございます!
by アマデウス (2009-11-13 07:03) 

アマデウス

Nyandamさん!こんにちは~☆
コメントありがとうございます!
コサギ位の大きさにあたるのでしょうね。
羽の色はアオサギよりも白っぽい感じがしましたが。。。
by アマデウス (2009-11-13 07:06) 

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